路地テアトロ版《悦びの宴》終演しました。
すでに、ブログやいろいろなところに書いたり話したりしていますが、
15年ほど前、
競技ダンスから舞台芸術に転向した際の初作品公演時にいただいた匿名のアンケートの言葉・・・具体的にはここには書きませんが・・・・
そのおかげで、わたしは自分がなぜ表現者という道を選んだのかということが、わかったのです。
初作品時にですから観客に恵まれています。とうとうどなたかはわかりませんでしたが。
その後は作品創りが楽しくて、様々なところで様々な作品を発表してきました。
女シリーズはいまでも覚えている方には評判です。
さて、作品はもとより、いわゆる精神性の高い身体が《舞踏》だと確信していたわたしですが、もともとカテゴライズには重きを置いていません。
《ひびきみかダンス》です。
やっとこう言える日が来たように思います。
もっと早いうちに・・・そうですね、10年ほど前にそう言ってくださった評論家の方がいたのですが、その頃は今以上に自信がなくてね。。。なかなか堂々と《みかダンス》とは言えませんでした。
しかし、ついにその日が来たように感じます。
自分で言ってしまいますが、深い洞察と理由があって《舞踏》と名乗ってきましたが、返上しようと思います。
先ほども書きましたように、カテゴライズは重要ではありません。大切なのは中味であってジャンルではないのです。
これは自信がついたということとは少し違いますが、信じることができたということかもしれません。
初舞台の時から、気づいている方は気づいていたらしい(本人よりも先に)、わたしの身体の特異性?
こういったことは、観客から学べるものなんです。だから、見えたままの感想って好きです。
評価とは全然違う。インスパイアされます。
今回の《悦びの宴》は、そういう意味で、とても大切な作品となりました。
しかも路地テアトロ(極小空間)で行ったことで、はっきりと自覚できたといううれしい事実です。
絶句するほどの感想が昨夜届きました。
今回はご来場のみなさんに公演後すぐに一言だけ書いていただいたのですが、ある方の感想がとても興味をそそるものでした。数日たってそれをもっと深く見つめて言葉に起こして(しかも頭で捏造せずに)送ってくださいました。
シアターΧでの《悦びの宴》公演時にも、また別な方の感想で、やはりわたしの身体の特異性を確信させるような感想がありました。シアターΧですと、席によってはわたしの表現は見えづらい場所もありますので残念なこともありましたが、たまたま良いお席だったのか、なんとも得難い感想でした。
昨夜届いた感想は、ここ数日舞台関係者とのやり取りの中で、わたし自身がくすぶっていたあることをすべて取り去ってくれました。多分ご本人は無意識だと思いますが、こちらは表出する側なのでよくわかるのです。
人それぞれ感じ方が違います。そこにはイイワルイはないのですが、時折一喜一憂します。
ここ数日は、いろいろな方とメールや電話やお会いしてお話をさせていただきました。本当に貴重な時間貴重な見解をありがとうございます。真逆の見解、真逆の感想も興味深いものがあります。
とてもわかりやすい⇔まったくわからない
芸術性をすごく感じる⇔なにを言いたいのかがわからない
表現者の生きざまが見える⇔表現者の生きざまが見えない
何を求めているのかが感じられる⇔何を求めているのかがわからない
自分自身の創造力を掻き立てられる⇔意味がわからない
感覚的によくわかる⇔難しくてよくわからない
僅かな例を挙げても、こんなに違う(笑)
他にも、当日の感想でゾッとするほど素晴らしいのもありました。これは創作のヒントにもなりそうなものでした。舞台テクニカルの仕事をされている方が久しぶりに見に来てくださっての感想です。
宝ですね☆
15年前の感想を機にわたし自身が気づき育ててきたことが形として見えてきたようです。
それが《ひびきみかダンス》なのですね。
だからといって、単にテクニックの問題ではないので、毎度毎度安心することはなく、精神の極限とのせめぎあいですね。
緊張の極限・・・・もういやだ~とさけびたくなるようなものをこれからも創っていくのでしょう・・・・毎回もう無理だといいながら。
ご来場ありがとうございました。
これからも目撃してください。
「宴のあと」を読ませていただきました。真逆の見解・感想、確かに「舞踏」というジャンルというかカテゴリーを意識してしまうとDANCEそのものを見えなくしてしまうのではないでしょうか。≪ひびきみかダンス≫いい響きです。私はまだ一回しか観ていませんが、何か言葉では言えない「もの」を体感しました。これからも観させてください。
井上様
コメントありがとうございます!
じつは、初めてお会いした・・・というか、ある意味でまだお会いしていない・・・・井上様の先日の感想が、とても導ともなりました。「シアターΧでの感想・・・」とは井上様からいただいた感想のことです。
観客と表現者の共鳴はとても興味深く、感想からまたインスパイアされたりします。新しい作品へとなっていくのです。ありがとうございます!
先日、ひびき先生のブログで《悦びの宴》がエドガー・エンデの『ラザロは待つ』にインスパイアされて生まれたと知った。『ラザロは待つ』どちらかと言うと重苦しく陰気な絵の部類に入るだろう、絵を見て受け取るものは人それぞれ、哀しみだったり思わずふっと笑ったり、、胸に去来してもす~っと通り過ぎて行ってしまう。しかしそれをつかまえて自らの肉体で踊りというものに昇華させていく、、それはやはりひびきみかと言う人が芸術家だからなのだ、コリオグラフィーのみを与えられて踊るダンサーでなく音楽のみを与えられて踊るダンサーでなく、自らの内なるものにかたちを与えることの出来る人、、、それもただの自己満足に終わらずに。これからも彼女の踊りを見続けたいと思う。